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  1. 大学紀要
  2. キリスト教と文化研究所
  3. 人文科学研究
  4. 第39号(2008.3)

ゆるしの神学と人間学

https://doi.org/10.34577/00000102
https://doi.org/10.34577/00000102
80a86ffb-be69-41a8-966c-b881cb30b31e
名前 / ファイル ライセンス アクション
01森本.pdf ゆるしの神学と人間学 (658.8 kB)
license.icon
Item type 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1)
公開日 2013-10-30
タイトル
タイトル ゆるしの神学と人間学
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_6501
資源タイプ departmental bulletin paper
ID登録
ID登録 10.34577/00000102
ID登録タイプ JaLC
著者 森本, あんり

× 森本, あんり

WEKO 103

森本, あんり

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著者別名
識別子Scheme WEKO
識別子 4190
姓名 Morimoto, Anri
抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 「人間に固有なもの (proprium) とは何か」をめぐる連続公開講演の第一
回として、人間のもつゆるしの能力について論じた。「過つは人の常」とい
う格言は、ストア派や論語に見られる古典的な人間理解であるが、18世紀
のアレグザンダー・ポープはこれに「ゆるすは神の常」という対句をつけ
た。この定式では、ゆるしは神の側に配置され、人間がゆるしの主体とな
ることが不明瞭になっている。キリスト教神学の伝統でも、ゆるしはしば
しば神の業として論じられ、人間が人間にゆるしを求めて与える水平次元
の欠落が批判されてきた。しかし、イエスは新約聖書においてゆるしを人
間の能力として語っており、中世の神秘主義思想、ニーチェのルサンチマ
ン論、現代のデリダらは、ゆるしの原理的な不可能性を語っている。これ
らの議論をふまえた上で、本稿はトマス・アクィナスの「等価的代償」
(aequivalens satisfactio) と「充足的代償」(sufficienssatisfactio) との区別を
援用し、ゆるしが正義や償いを前提としつつも最終的にはそれらに依存し
ないことを論じた。ゆるしは、「分析判断」ではなく、算術的な正義を越え
た「総合判断」である。本連続講演の主題に照らして言えば、ゆるしは、
被害者のみが与えることのできる「上積みされた贈与」(for-give) であり、
代価なしに (gratis) 与えられる恩恵であり、ゆるさないことが当然かつ正
当である状況のなかで、その状況に抗して行使される人間の自由の表現で
ある。つまり、ゆるしは、人間の人間的であることがもっとも明瞭に輝く
瞬間である。このことの具体例として、本稿はふたつの事例を挙げた。ひ
とつは、米国議会の謝罪要求決議により再浮上した日本軍の従軍慰安婦問
題における発言であり、いまひとつは、1981年に米国で起きたKKKの黒
人惨殺事件の民事裁判判決における出来事である。いずれの事例でも、正
義の完全な復元が不可能なところで、トマスの言う「充足的代償」が浮き
彫りにされている。なお、ゆるしの実現には、加害者と被害者の間で「謝
罪」と「ゆるし」の交換がなされなければならないが、これは内心におい
て先に成立したゆるしの現実に、公の外的な表現を与えるための儀式であ
る。それはちょうど、戦争の終結によってもたらされた事実上 de facto の
平和状態に、平和条約の締結が法律上の de iure 正当性を付与してこれを
追認するのに等しい。だからゆるしは過去形ないし完了形で語られるので
ある。ゆるしは、この意味で再解釈すると、「あらかじめ与えること」
(fore-give) である。「過去を変える力」として、人間にこのようなゆるしの
可能性がなお残されているという事実に、「神の像」たる人間に固有の本来
的な自由と尊厳 (proprium) がある。
書誌情報 人文科学研究 (キリスト教と文化)
en : Humanities: Christianity and Culture

号 39, p. 1-27, 発行日 2008-03-31
出版者
出版者 国際基督教大学キリスト教と文化研究所
ISSN
収録物識別子タイプ ISSN
収録物識別子 0073-3938
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