Permalink : http://doi.org/10.34577/00005302
中国における性的マイノリティ問題のリフレーミング ―差別論の視点から
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File / Name | License |
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Reframing Sexual Minority Issues in China: Analysis from a Discrimination Theory Perspective |
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JaLC DOI | info:doi/10.34577/00005302 |
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アイテムタイプ | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper |
言語 | 英語 |
キーワード |
中国、性的マイノリティ問題、人権、差別、抑圧 |
著者 |
ZHAO Yingying
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著者別名 |
趙 瑩瑩
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抄録 |
既存の研究では、中国の文化や政策、偏見を持つ人々、西洋のモデルが性的マ
イノリティの問題にどのような影響を与えるのか、また性的マイノリティが中国 の社会的背景の中でどのように苦闘しているのかに焦点が当てられてきた。しか し、これらの研究では、一般市民の役割が無視されており、性的マイノリティが 根強い抑圧を受ける理由についても検討されていない。このように、中国の性的 マイノリティ問題は、誰もが関わる問題ではなく、「他者の問題」として捉えら れており、性的マイノリティがさらに周辺化されることにつながる可能性があ る。これに対して、欧米の研究者は、人権の観点から、性的マイノリティは全て の人に関わる問題であると主張しているが、中国の人権理論の特徴は、欧米の視 点を中国に適用することができないことを示している。したがって、中国におけ る性的マイノリティ問題を、一般市民を巻き込む新しいダイナミックな視点から 捉え直すことが必要である。 本研究では、佐藤裕(2005)の差別理論を用いて中国政府による公式言説を分 析し、国家が同化に関する曖昧なメッセージを送り、性的マイノリティを社会的 に排除していると主張した。このため、中国の性的マイノリティは持続的な「見 えない抑圧」に直面していると結論した。 本稿は、普遍的人権理論の援用が困難な場合の性的マイノリティ問題に新たな 視点を提供し、中国における性的マイノリティに対する「見えない抑圧」は、国 家と国民が一体となって生じうるものの、国民一人ひとりの意識によって変える こともできることを示唆するものである。 |
雑誌名 | Gender and Sexuality |
号 | 18 |
ページ | 99 - 126 |
発行年 | 2023-03-31 |
出版者 |
国際基督教大学ジェンダー研究センター
Center for Gender Studies, International Chrisitian University |
ISSN |
1880-4764
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