@article{oai:icu.repo.nii.ac.jp:00005079, author = {周, 鈺}, issue = {52}, journal = {人文科学研究 : キリスト教と文化}, month = {Dec}, note = {村上春樹は現代日本を代表する作家の一人であり、国際的に幅広く読者層を獲得してきた。その作風からは、平易で読みやすい日本語や英語的な文体といった文章の面での特徴や、若者や恋愛、歴史問題、音楽、西洋文化といった主題や構成要素の面での特徴が挙げられる。こうした特徴と並んで、村上作品は大量の性的描写によっても性格づけられる。しかしこの点について、これまでその理由や機能が十分に理解されてきたとは言えない。 二〇一八年には、村上春樹の長編小説『騎士団長殺し』がわいせつな性描写のために香港において18 歳未満への販売が禁止されたというニュースが一時的に話題になった。この件は村上春樹の性的描写に関する評価にマイナスの影響を及ぼしていると考えられる。以上のことを踏まえた結果、現在に至るまで、村上春樹の性的描写は美的表現と評価されていないどころか、むしろ批判的に論じられていることが伺える。 代表作である『ノルウェイの森』においても、筋の展開に合わせて複数の性的描写が書き込まれているが、この小説の内容を青春や恋愛から捉える立場に比べて、性から理解しようとする立場は少ない。 そこで、本稿では『ノルウェイの森』において、原文の分析という視点から、その性的描写を具体的に分析し、その描写をエロティシズムと関連づけ考察を試みる。本研究では村上春樹作品における性的描写が担わされた役割を明らかにすることを通して、世界における村上春樹受容及び村上春樹作品への評価に貢献できることが期待される。, 正誤表あり}, pages = {259--284}, title = {『ノルウェイの森』からみるエロティシズム}, year = {2020} }