@article{oai:icu.repo.nii.ac.jp:00004531, author = {UEDA, Habiba-Mao}, issue = {10}, journal = {ジェンダー&セクシュアリティ}, month = {Mar}, note = {著者は、マレーシアにおいて女性を愛するムスリム女性(WWLW)を取り 巻く社会状況と問題を分析するにあたり、WWLWに関する記述が極端に限ら れている状況に直面した。そのため本稿では、90 年代後半にセクシュアリ ティ・イシューの重要性を示唆したムスリム女性権利団体シスターズ・イン・ イスラーム(SIS)に注目し、これまでSIS の中でWWLWに関わる問題がどう 扱われてきたのか、またその限界と今後の可能性を分析した。調査はSIS のメ ンバーを中心に、セクシュアリティ・ライツ運動に携わる活動家などを含む 14人に個別の半構造化インタビューを実施した。調査の結果、80年代以推進 されたイスラーム化政策とそれに伴う宗教法の改正・施行がWWLWを含むム スリム女性や、セクシュアル・マイノリティを取り巻く問題に強く影響してい ることが示された。さらに、その宗教政治的な影響により、セクシュアリティ や性の多様性などのイシューを扱うことは「害悪」とされ、啓発活動や支援活 動に多くの障壁を生みだしていることも示された。障壁の一つとして、セク シュアリティに関する宗教的議論の脆弱性が強調され、潜在的なリスクへの懸 念から活動に関わる人たちやコミュニティの安全確保に関して多く語られた。 また、障壁を乗り越え活動を行うため団体という枠を超えた「女」同士の連帯 が、他の女性団体やセクシュアリティ・ライツ運動、トランスジェンダー・コ ミュニティとの協働という形で発展してきていることが明らかになった。しか し、WWLWを取り巻く問題が女性権利運動とセクシュアリティ・ライツ運動 の双方から周縁化されていることも示された。そのため、草の根活動でどのよ うに問題の取り組みがされているのか等の調査と、WWLWの経験や社会生活 についての実証研究を推進していくことが今後の課題になるだろう。}, pages = {159--185}, title = {マレーシアにおける「女」同士のつながりを考える―ムスリム女性権利運動と女性を愛するムスリム女性―}, year = {2015} }