@article{oai:icu.repo.nii.ac.jp:00003007, author = {Thakur, Ramesh}, issue = {47}, journal = {国際基督教大学学報. II-B, 社会科学ジャーナル, The Journal of Social Science}, month = {Sep}, note = {P(論文), この論文は、20世紀の冷戦時代を反映する従来の安全保障パラダイムから離 れることによって、地域の平和と安全保障を分析する新しいアプローチを開拓 しようとするものである。経済学から借りてきたこの新しいアプローチは、平 和と安全保障を地球公共財とみなす。最初の部分で、本論文は「地球公共財」 を、例外なしに誰もが享受できる万人の利益として定義する。 第2節では、アジア一太平洋地域が、2つの地理的な構成要素を持っていた 従来の安全保障構造という文脈において、考察される。第二次世界大戦の後に 発達したこの安全保障体制は、ソピエトの脅威を封じ込めようとしていたヨー ロツパ大西洋間の協力関係を反映するようになった。このヨーロッパの安全 保障体制がすでに崩壊した一方で、アジアのそれは本質的にそのまま残存して いる。そのことは、旧ソ連と東ヨーロッパで起こった広範囲にわたる政治的経 済的変化が、アジアの共産主義諸国には及ばなかったということを示している。 そして、ソ連と東ヨーロツパの共産主義を崩壊させたドミノ効果が、アジアに おいては見られなかったことを示している。アジアでは共産主義体制がまだ存 在している。さらに、ヨーロッパではかなりの程度の軍備管理と軍備縮小が達 成されたが、アジア太平洋地域では軍備が拡大された。 本論文はこの節で、この地域における権力関係の構造を考察し、安全と安定 性という地域の公共財を確保する上で重要な5つのプレーヤー(アメリカ合衆国、 中国、日本、ロシアとインド)の各々を分析する。さらに、これらそれぞれの大 国の観点からこの地域の主要傾向を浮き彫りにする。非核地帯構想(NWFZ)と 地域の経済協力は、安全保障を地球公共財たらしめている特定の主要な地域的 構成要素の一つである。本論文は、南アジアと北東アジアにおけるNWFZの見 通しは厳しいと指摘する一方で、経済的地域協力に関してはより楽観的である。 アジアの経済危機は、地域の及び地球公共財に対して、よく機能している地域 市場の重要性を強調するために引き合いに出されている。 本論文の第3節では、グローパル・ガヴァナンス、人間の安全保障、NGOの 役割、人権と人道的干渉に特に注目することによって、新しい千年紀にグロー バライゼーションがもたらした新しい問題と関係を探求する。このますます複 雑化し多様化している世界においては、自然の共有財(naturalcommons)、 貿易関税、軍事安全保障という伝統的な地球公共財が、きれいな空気、健康、 財政的安定性、知識管理などへ変容することが要請されている。第4節では、 国連が、中間的な地球公共財であるということが確認される。従って、国連は 平和、繁栄、持続可能な発展とグッド・ガヴァナンスという地球公共財を促進 するための形態と利点を備えているのであり、国連のヴィジョンと価値へのより いっそうのコミットメントが要請されている。}, pages = {1--24}, title = {Global Public Goods and Peace and Security in Asia}, year = {2001} }