@article{oai:icu.repo.nii.ac.jp:00002566, author = {HIBINO, Yuka}, issue = {9}, journal = {Gender and Sexuality}, month = {Mar}, note = {本論文は、E.K. セジウィックのH. ジェイムズ論「クローゼットの獣―ジェ イムズとホモセクシュアル・パニックについての記述」を、女性の欲望が男性 の真理へと生成する機序を論じたものとして再評価するものである。セジ ウィックは、男性のセクシュアリティについての仮説を提示し、その推論のプ ロセスを通じて、「男性のホモセクシュアル・パニック」を真理として仮構し たのではない。むしろ、セジウィックによって提示されるのは、女性の欲望に ついての仮説に他ならない。セジウィックは、彼女「自身のエロスと経験」か ら、「男性のホモセクシュアル・パニック」を布置する媒介者である女性のも つ「真理」への欲望を前景化しているが、この過程は、女性の欲望が男性のセ クシュアリティの真理へと生成する過程との相関関係のうちで捉えられねばな らない。そうであればこそ、「密林の獣」において、女性の欲望の充足ならび にその消滅と、まさに時を同じくして、女性の「身震い」が、とりもなおさ ず、「男性のホモセクシュアル・パニック」の現成であることが明らかにされ る。以上から、セジウィックの議論が、彼女「自身のエロスと経験」から提起 された女性の欲望についての「仮説」が、男性のセクシュアリティについての 「理論」へと変容する過程であることが  セジウィックの個別的経験から普 遍的真理へ、ならびに女性の欲望から男性の真理へ、という二つの過程を伴う 一連の運動として  明らかになる。セジウィックは、女性の欲望/ 男性の真 理ならびに個別的経験/ 普遍的真理という両項の弁証法的な関係のもとで、女 性の欲望ならびにその成就を、男性のセクシュアリティの真理としての「ホモ セクシュアル・パニック」とそれがもつミソジニーの根拠として解明して いる。}, pages = {113--138}, title = {身体、欲望、真理 ―イヴ・コゾフスキー・セジウィックによるヘンリー・ジェイムズ『密林の獣』読解について}, year = {2014} }