@article{oai:icu.repo.nii.ac.jp:00001111, author = {立川, 明}, issue = {45}, journal = {国際基督教大学学報. I-A, 教育研究, Educational Studies}, month = {Mar}, note = {P(論文), 本論は,現代の大学生に有意義な教養教育が成り立つための基本的な条件を探究し,そうした教育プログラムについてのささやかな提案を試みる.まず,アジア諸国から合衆国のダートマス大学へ留学した3名の女性の教育的な経験を分析して,そこに非対称性を認める.非対称性とは,留学前の目的地での勉学・社会生活に関する期待と,留学先での実際の有り様とが大きく食い違う事態を指す.こうした事態は,ICUからの交換留学生の具体例のうちにも観察できる.具体例を見るかぎり,留学生活がほぼ予想通りであった学生たちに比べ,非対称的な留学経験をもった者たちは,人間としての生き方,生活態度に関して,振幅の大きな変容を被ったようである.現代の大学生向けの教養教育には,こうした変容は極めて有意義であり,本論はそうした角度から構成された学士課程教育を推奨する.こうした変容体験をより意義ものたらしめるためには,現代の諸問題に関わる諸科目と,そうした諸問題の解決の手がかりとなる様々な理論的な科目は不可欠である.けれども,留学の非対称性を強調しつつ教養教育を構想すると,通常はこうした体験の対極に位置すると理解されている古典にも,関心を向けざるをえない.古典をめぐる経験は,しばしば予想もしなかった思想との出会いとなるという意味において,非対称的な留学経験と共通点をもつ.人間の努力の意味を時間の軸の中に知るためにも,古典との対話を改めて教養教育の中に位置付けたい.}, pages = {13--26}, title = {現代における教養教育の条件の探究 : 非対称的な留学経験を手がかりとして}, year = {2003} }